店頭には数千円から十万円近いものまで、多くの作曲ソフトが並んでいます。
これからパソコンを使った音楽制作をはじめようと思っている方にオススメするのは「DAW」と呼ばれるソフトです。
DAWとはなにか
DAWとはデジタルオーディオワークステーションの略です(読み方は「ディーエーダブリュー」、もしくは「ダウ」)。特定のメーカーのソフト名ではなく、音楽制作ソフトのジャンルのことです。
このソフトひとつで音符の打ち込みや録音、ミキシングやマスタリングといった、曲作りのすべてを行うことができます。
昔は個人で使用する音楽制作ソフトといえば、音符を入力することに特化したシーケンスソフトのことを意味していたのですが、ほとんどのソフトがMIDIだけでなくオーディオデータも扱えるようになり、それにともない名称も変化したようです。
もう少し詳しく説明すると、かつてのDTMというのはMIDIという規格を使って音源(箱型のハードウェア音源)をソフトでコントロールすることが主目的であり、それ以外のレコーディングやミキシング、マスタリングなどは専門のスタジオで行うのが一般的でした。
それがDAWが登場したことによって、音楽制作ソフトは音源のコントロールだけでなく、マイクや外部音源から録音したものを曲に使ったり、それらにエフェクトをかけたりイコライザーで音質の調整をしたりと、曲作りの最初から最後まで行うことができる高い自由度を持つようになりました。
現在発売されているDAWの中でメジャーなものは
・STEINBERG Cubase(Windows・Mac両対応)
・APPLE Logic(Mac専用)
・ABLETON Live(Windows・Mac両対応)
・IMAGE LINE FL Studio(バージョン20よりWindows・Mac両対応)
などがあげられます。
これらのDAWは、付属のプラグイン数やサラウンドミックスが可能かどうかなど、その機能によっていくつかのグレードに分かれています。
追記
かつて上のリストにCAKEWALK Sonarを加えていたのですが、Sonarは2017年11月に開発を終了してしまいました。
WindowsネイティブのDAWとして、CubaseやLogicと並ぶほどの支持を得ていたのに、栄枯盛衰ってやつですね。
と思ったら、追記の追記で2018年4月にCakewalk by BandLabとして帰ってきました。しかもフリーウェア!
詳しくはフリーソフト紹介の項で。
DAWの選び方
上にあげたDAWは、音楽制作という点において、基本的な性能の差というのはほとんどありません。
録音した音を編集できるオーディオパートと、打ち込みで音を作るMIDIパート、それらを統合するミキサーパート、大体こんな感じです。
操作性についても結局のところ「慣れ」が重要なので、どれが一番使いやすいというのは特にないと思います。
2. 価格
3. 付属している音源・エフェクト
4. 作りたい曲のジャンル
5. 好きなアーティストが使用している
選択のポイントはこんな感じでしょうか。
3はコストパフォーマンスにも関わってくるので、結構大きなポイントになると思います。
4は、DAWの機能的な差は少ないと最初に書いたのですが、たとえばABLETON Liveなど、ライブパフォーマンスにも力を発揮するようなソフトもあるので、自分のやりたい音楽が明確な場合は、それに適した機能を持つDAWの選択が重要になってきます。
5は、どれを選んだらいいのかよくわからなくなった方向けです(笑。曲作りのモチベーションも上がるし意外と有効かもしれません。
あとは身もふたもないですが、人気があるソフトを選ぶのが無難です。人気があるということはユーザーも多いということであり、その分関連書籍や解説サイトなど、情報もたくさん手に入ります。
DAWというのはそんなにころころ変えるものでもないので、最初の1本は慎重に選びましょう。
とりあえずオーソドックスなDAWがほしい、という方は、STEINBERG Cubase、APPLE Logicあたりを買っておけばまちがいないです。
ちなみにこれらのソフトにはアカデミック版が存在するので、学生や教育関係者の方はそちらをチェックしてお得に手に入れてください(購入に際し、身分証明書の提示が必要になります)。
ほとんどのDAWでは、あらかじめいくつかのソフトウェア・シンセサイザー(ソフトシンセ)がバンドルされていて、すぐに曲作りをはじめることができるようになっていますが、付属の音源ではもの足りない場合は別に音源を用意する必要があります。
最近ではソフトシンセが主流になっていますが、ハードウェア音源もライブなどでその力を発揮しています。
音源については音源の選び方の項で。
また無料で使えるDAWもありますのでフリーソフトの項をご覧ください。