音楽制作において非常に重要なのが出音の確認です。
音楽制作向きのスピーカーを使うことで、より細かい音のバランスの違いがわかるようになり、結果としてミックスやマスタリングのクオリティーが向上します。
パワードとパッシブの違い
スピーカーにはパワード(アクティブとも呼ばれます)とパッシブの2種類があります。
スピーカーから音を出すにはアンプで音を増幅する必要があるのですが、パワードタイプにはアンプが内蔵されているため、オーディオインターフェイスから直接ライン接続して使うことができます。
一方、パッシブタイプは外部のアンプと組み合わせて使用するスピーカーです。音楽鑑賞用のオーディオコンポのスピーカーはたいていパッシブで、アンプが入った本体部分とスピーカーケーブル(先が赤黒の二股でスピーカーの接続部にはさむタイプのもの)を使って接続します。
もしオーディオインターフェイスと接続するなら、オーディオインターフェイス→アンプ→パッシブスピーカー、といった流れになります。
パッシブの場合は組み合わせるアンプとの相性を考えなくてはいけませんが、パワードの場合はそのスピーカーにあったアンプが内蔵されているので、相性に悩む必要がありません。
というわけで、DTM用にスピーカーを購入するなら手軽にセッティングできるパワードがオススメです。
モニタースピーカーとはなにか
DTM用途としてパワードをオススメしましたが、パワードならどんなスピーカーでもいいかというとそんなことはなく、スタジオなどで音の確認に用いられるモニタースピーカーと呼ばれるものを選択する必要があります。
モニタースピーカーは、普通のスピーカーと構造が異なるわけではありませんが、フラット(高音から低音までバランスがよく原音に忠実であること)な音質で、ミキシングなどの音楽制作に用いられることを目的として作られています(音質に数値的な基準があるわけではないので、音の傾向はメーカーによって異なります)。
自宅で使用するなら、コンパクトで近距離(ニアフィールド)でのリスニングに適したものがオススメです。
ちなみにスピーカーは一本単位で販売されているものが多いので、購入前に確認しておきましょう。
オススメのモニタースピーカー
FOSTEX PM0.4c
確かな音質とコスパの高さで人気のFOSTEX PM0.4の最新モデルが「PM0.4c」です。
中域がはっきり聴こえる音質で、リスニングも楽しめます。
パソコンの横に置いても邪魔にならないサイズなので、コンパクトな音楽制作システムを構築したい方にオススメです。
再生周波数帯域:60Hz〜20kHz/出力:30W+30W/サイズ:130(W)×220(H)×169(D)mm/重量:2.4kg(R側)2.1kg(L側)
→FOSTEX PM0.4c製品情報(メーカーサイト)
YAMAHA MSP3A
原音に忠実なニアフィールドモニター「YAMAHA MSP3A」。定番のリファレンスモニター MSP3の後継機です。
ヤマハの独自技術「ツイステッドフレアポート」により、クリアな低域を実現しています。
再生周波数帯域:67Hz – 22kHz/出力:22W/サイズ:144(W)×236(H)×166(D)mm/重量:3.6kg
→YAMAHA MSP3A製品情報(メーカーサイト)
KRK Rokit 5 G4
KRKのモニタースピーカーは、多くのトラックメーカーに支持されています。
その最大の特徴は、リッチな低域の響き。
クラブミュージックに限らず、現在のポップスでは低域の存在感がミキシングにおいて重要になっています。低域がしっかり出て音像も鮮明なKRKのスピーカーでミキシングすれば、現代的なサウンドを実現できるでしょう。
ここで紹介している「Rokit 5 G4」は、人気機種Rokit 5 G3の後継機種です。2019年1月に発表された製品なのですが、2019年11月にようやく日本に上陸しました。
背面には周波数を調整できる液晶ディスプレイがあるので、部屋の環境に合わせてセッティングすることが可能です。
また、G3で評判の悪かったスタンバイモード(30分使用しないと自動的に電源が切れるスリープ機能)を、SETUPメニューから解除することができるようになりました。
再生周波数帯域:43Hz~40kHz/出力:55W/サイズ:190(W)×285(H)×241(D)mm/重量:4.85kg
→KRK Rokit 5 G4製品情報(メーカーサイト)