少し前に、NHK教育テレビでアンコール放送「YOU 誰でもミュージシャンパートII YMOの音楽講座」なるものをやっていました。
放送日は1983年6月11日。なんと26年前! 当然ながらYMOのお三方が若かったです(司会の糸井重里さんも)。
放送内容は、YMOの三人がシンセサイザー等を使った曲作りの方法を紹介するといった感じのものでした。
お客さんは音楽に興味のある若者たちで、自分の好きな音が出るもの(カスタネットや自作の板を叩いて音を鳴らすものなど)を持ちより、若者たちがYMOの三人に質問したり、逆に質問されたりするなど、とてもフランクな番組でした。
1983年といったら、コンピューターやシンセサイザーを使った曲作りができる環境にある人は本当にごく一部だったと思うので、シンセサイザーをいじってさまざまな音を出したり、ドラムマシンを操作してリズムパートを作る姿は、多くの人にとってものすごく新鮮に感じられたと思います。
放送から26年が経った今、個人がハイスペックのパソコンを所有しインターネットにアクセスするのが当たり前になって、やろうと思えば誰でもソフトやプラグインをダウンロードしてほとんどお金をかけずに音楽を作れる時代になりました。
とはいえ変わっていない部分もやっぱりあって、番組の中で、既存の音に飽きたらず自分で音を作り出していく、ということが話題になっていましたが、そういう根本の部分は今も昔も同じなんだなと思いました。
音楽全体としての意味でもそうだし、具体的に、たとえば自然音など外部のさまざまな音をサンプリングして新しい音を作って曲に生かしたりなんてことは今でも行われています。
今から26年後、2035年にはどんな制作方法が用いられているのでしょうか。
本末転倒っぽい感じもしますが、制作環境が音楽そのものに影響を与える部分というのは少なからずあると思います。
2chステレオはなくなって、全方位向けのフォーマットが標準になってたりして……。