前回、Wi-FiスピーカーSonos Oneについての記事を書いたのですが、スピーカーをどこに置くかで悩んでいます(→Sonos Oneレビュー 予想以上の音質!2台でステレオ化)。
小型のブックシェルフ型スピーカーにとって一番よくないのはフローリングの床に直置きすること。床に音が反射して、低域がぼわんぼわんしてしまいますし、マンション住まいだとスピーカーの振動が床にもろに伝わって、階下の住人に迷惑をかけてしまうかもしれません。
Sonos Oneには専用のスピーカースタンドがあるものの、83.8cmと結構高さがあります。しかもSonos Oneと同じくらいの値段……。
そのほかのスピーカースタンドもいろいろとチェックしてみたのですが、デザインがいいものはお値段もかなりします。
しかたない……作るか……。
というわけで、スピーカースタンドを自作してみることにしました。
どういうスピーカースタンドを作るか考える
スピーカーのツイーターには指向性があるため、スピーカーを置く位置(高さ)は、リスナーの耳の高さと同じになるくらいがいいとされています。
低めのソファに座ったとしても、高さ60cmはほしいところですが、60cmのスタンドが2個あると部屋に圧迫感が出てきそうです。インテリアのことを考えると、30cmくらいが目立たちすぎない高さかなと。
音楽制作サイトなのにインテリアのほうを重視する私(笑
あとDIYなので、高すぎると安定性の問題が出てくるというのもあります。
安定性を考えると、形はボックス一択です。
スピーカースタンドによくある、土台があって柱があってその上にスピーカーを置く台があるタイプのものは、DIYで作るにはちょっと手間がかかりそうなので却下ということで。
MDFボードでスピーカースタンドを作ってみた
メインとなる素材はMDFです。MDFは木材繊維を圧縮したもので、安価でそれなりに強度もあります。
100均で材料をそろえようと思ったのですが、どこのダイソーに行ってもMDFボードが見つからず。どうやら去年の暮れあたりからダイソーではMDFボードの品切れが続いているようです。
ダイソーにないならセリアに行けばいいじゃない、ということでセリアに行ってみたところ、MDFボードを発見。しかし急にカットするのが面倒になり、カットサービスのあるネットショップで買うことにしました。
300mm×900mm(厚さ9mm)のMDFボードを2枚買い、それをカットしてもらいました。
楽天のモクザイヤというところで購入したのですが、なんとカットが無料という神サービス。
↑2つ作るので、実際はこれ×2です。
精度も高く、カット面もきれいで、ここで買ってよかったー、と心から思いました。
厚さ9mmのMDFなんて自分ではなかなかきれいにカットできないですしね。
この材料を使ってどんなスタンドにするかについてですが、まあ材料を見てわかるように縦長で底がないただの箱を作ります。ものすごく簡単にできます。
接着剤には木工用ボンドを使います。
すべてのパーツを一気に組み立てて、ボンドが乾ききらないうちに微調整して段差ができないようにしたほうがいいです。
ボックスの補強
ボックスの安定性を高めるために、内部を補強します。
木工用ボンドは乾くとかなり強力に貼り付くので、おそらくこれをやらなくても大丈夫だとは思うのですが、先に材料を購入してしまったのでしかたなくやります(笑
セリアで買った4cm角の檜のブロックと、ダイソーで買った1.5cm角の角棒を、ボックス内部の4隅にボンドで貼り付けていきます。
L字の金具も買ってみたのですが、ネジで留めるのが面倒なのでやめておきました。
ちなみに檜のブロックは、糸ノコで半分にカットしています。こうすることで、Sonos Oneの上からこのボックスをすっぽりかぶせることができるようになります(4cm角のままだとサイズ的に入らない)。家を長期間留守にするときの地震対策や、子どもやペットがいたずらしそうなときに便利です。ただカットするのが予想以上に面倒だったので、かぶせる予定がない場合は無理に加工する必要はないです。
転倒防止のため、耐震粘着ジェルを底に貼ります。
MDFは結構味のある質感をしているのでこれで完成でもいいのですが、インテリア重視のワタクシはこれで終わらず。ここからさらに手を加えて、オシャレなスタンドに仕上げていきます。
オシャレなスピーカースタンドに変身
質感アップのため、オークの突板(つきいた)シートを貼っていきます。
突板というのは天然木を薄くスライスしたもので、これを貼ることでMDFボックスがオーク材のボックスに生まれ変わります。
ただし突板シートは高いです。ホワイトオークの450×1800mmのものを購入しましたが、お値段4,664円。
できるだけコストを抑えたい、という場合は、カッティングシート(orダイノックフィルム)を使うのもアリです。
次に、天板部分にセリアで買った白いプラ板を置き、その上に4隅に穴をあけた厚さ3mmの透明アクリル板を置きます。
アクリル板はかなり硬いので、加工には結構手間がかかります。
3mmのアクリル板は普通のカッターでカットするのは絶対無理なので、専用のアクリルカッターが必要です。
また、キリで穴をあけることもできないので、ピンバイスが必要になります。個人的にピンバイスというと、ミニ四駆やプラモ作りにハマっていた小学校時代を思い出します。懐かしい。
板のカットはそれほど難しくはなかったのですが、穴あけのほうはかなり大変でした。
どうせ使うのはこれきりなので安いのでいいやと思い、Amazonにある激安のピンバイス(似たようなのがたくさん出品されているシルバーのもの)を買ったのですが、これがまあ使いにくくて、ものすごく時間がかかってしまいました。ある程度以上力を加えると、ドリルが空転して削れなくなってしまうんですよね。指も痛くなるし、こんなことならもう少しお金を出してもっと評価の高いものにしておけばよかったと思いました。
穴あけが完了したら、最後に化粧ビス(飾りビス)を使って4隅を留めます。
化粧ビスに付属しているネジは長すぎたので、キャンドゥで買った11mmのネジを使っています。
なんという高級感。これは売れる……。
スピーカー以外にも、オブジェや花、フィギュアなど、さまざまなものが置けそうです。
スピーカーの転倒防止のため、ダイソーで買ったコードフックをスピーカーの後ろに設置しました。
もし地震が起きたとしても、ここがちょっとしたストッパーとなってある程度の揺れなら倒れないはず。実際どうなるかはわかりませんが。
材料費まとめ
・MDFパネル(900×300×9mm 2枚):2,224円(572円×2+配送料1080円)
↑カットは購入後にメールで依頼します。ここで紹介しているのとまったく同じものが作りたい場合は、下記の図面をダウンロードしてお使いください。
・ボンド(コニシ 木工用速乾50g):129円
・セリア 檜ブロック(40mm):220円(110円×2)
・ダイソー 角棒(450×15×15mm):880円(110円×8)
・セリア 耐震粘着ジェル:110円
・突板シート(ホワイトオーク柾目 シール付き 450×1800mm):5,534円(4,664円+配送料870円)
↑オーク以外にもさまざまな種類があります
・セリア プラ板(180×260×1mm 2枚入り):110円
・アクリル板(200×200×3mm 4枚入り):1,099円
・アクリルカッター(アクリサンデー):381円
↑切断するのではなく、アクリル板の厚さの1/3くらいまで彫り、パキッと折って断面をやすりで整えるという感じです(怪我に注意)
・ダイソー 紙やすり:110円
・ピンバイス:730円
↑もっといいのを買ったほうがいいです
・化粧ビス(10mm 8個):790円
・キャンドゥ ネジ:110円
・ダイソー コードフック丸型:110円
計12,537円
あとがき
大満足な一品ができたものの、思いのほか材料費がかかってしまいました。
人によっては、この部分はいらないな、というところがあると思うので、この記事を参考にして自分なりのスピーカースタンドを作っていただければと思います。
さあ音楽鑑賞するぞー。