DIGGIN IN THE CARTS “懐かしくない”ゲームミュージックセレクション

DIGGIN IN THE CARTS
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ファミコンやスーパーファミコン、PCエンジンなどの、8bitや16bitのゲームミュージックを集めたコンピレーション「DIGGIN IN THE CARTS」(ディギン・イン・ザ・カーツ)が発売されました。

リリース元はHyperdub。Kode9やBurialなど、ダブステップ(Skrillex系ではない)を中心にリリースしているレーベルです。

ゲームミュージックのコンピレーションと聞くと、スーパーマリオやドラゴンクエストなど、有名曲のベスト盤のようなものを想像するかもしれませんが、そこはHyperdub、一味も二味も違うセレクションです。

「懐かしくない」ゲームミュージック

このコンピレーションは、レトロゲームと呼ばれる80年代から90年代の日本のゲームのサウンドトラックがどのように発展していったか、そして現在活躍する世界のアーティストたちにどのような影響を与えたかを探るドキュメンタリー映像が元になっています。

実際の制作者や関係者のほか、Flying Lotus(フライングロータス)など有名アーティストのコメントもあり、非常に興味深い内容なのでぜひチェックしてみてください。

このコンピレーションについてですが、全34曲と盛りだくさんな内容になっています。
ラインアップは以下の通りです。

1. コズミックウォーズ(コナミ/1989/FC) Opening – コナミ矩形波倶楽部
2. グラディウス(コナミ/1985/AC) Mazed Music – コナミ矩形波倶楽部
3. 源平討魔伝(ナムコ/1986/AC) Big Mode – 中潟 憲雄
4. ソロモンの鍵(テクモ/1986/AC) Hidden Level – 蓮舎 通治
5. グラディウス2(コナミ/1987/MSX) A Planet Of Plants – コナミ矩形波倶楽部
6. シャティ(システムサコム/1988/PC88) Telepathy – 斎藤 学
7. ゴーファーの野望 エピソードII(コナミ/1989/MSX) Equipment – コナミ矩形波倶楽部
8. モトクロス マニアックス(コナミ/1989/GB) BGM 3 – コナミ矩形波倶楽部
9. 妖獣機甲兵ワードラゴン(アルシスソフトウェア/1989/PC88) Visual Scene 1&2 – 山中 季哉
10. 飛装騎兵カイザード(メサイヤ/1990/PCE) Opening – ゴブリン・サウンド
11. サークII(マイクロキャビン/1990/MSX2) An-Un ‘Ominous Clouds’ – 新田 忠弘
12. アクトレイザー(エニックス/1990/SFC) Temple – 古代 祐三
13. 魍魎戦記MADARA(コナミ/1990/FC) Road To Agartha – コナミ矩形波倶楽部
14. ワルキューレの伝説(ナムコ/1989/AC) King Erekiman – 川田 宏行
15. メガパネル(ナムコ/1990/MD) Exercise – 田島 勝朗
16. 飛装騎兵カイザード(メサイヤ/1990/PCE) Game Over – ゴブリン・サウンド
17. クォース(コナミ/1989/AC) Beyond The Terminus – コナミ矩形波倶楽部
18. ミズバク大冒険(タイトー/1990/AC) Waltz of Water and Bubbles – 海野 和子(ZUNTATA)
19. タイムクルーズ II(フェイス/1991/PCE) Main Stage BGM 1 – 齋藤 博人
20. メタルブラック(タイトー/1991/AC) Area 26-10 – 渡部 恭久(ZUNTATA)
21. メタルストーカー(フェイス/1991/PCE) Site 3-1 Torrid City – 齋藤 博人
22. 幻影都市(マイクロキャビン/1991/MSXturboR) Metal Area – 新田 忠弘
23. メタルストーカー(フェイス/1991/PCE) Site 6-2 – 齋藤 博人
24. スーパーロイヤルブラッド(光栄/1991/FC) Tactics 4 – 伊藤 真澄
25. ヴィクセン357(メサイヤ/1992/MD) My Phase ‘State 12/14 – ゴブリン・サウンド
26. 超次元竜ドラゴンガン(データイースト/1992/AC) Kyoushin ‘Lunatic Forest’ – 吉田 博昭
27. エスパードリーム2(コナミ/1992/FC) Underwater Dungeon – コナミ矩形波倶楽部
28. サンダーフォースIV(テクノソフト/1992/MD) Shooting Stars – テクノソフト
29. The 麻雀・闘牌伝(ビデオシステム/1993/SFC) Mister Diviner – 細井 聡司
30. アルカエスト(スクウェア/1993/SFC) Main Theme – 石川 淳
31. ゴールデンアックス・ザ・デュエル(セガ/1994/AC) Keel – 長井 和彦
32. デザエモン(アテナ/1994/FC) Bad Data – 石橋 浩一
33. タロットミステリー(ヴィジット/1995/SFC) What Is Your Birthday? – 藤田 靖明
34. エイリアンソルジャー(トレジャー/1995/MD) Oblivious Past – 半澤 一雄

AC=アーケード
FC=ファミコン
SFC=スーパーファミコン
GB=ゲームボーイ
PCE=PCエンジン
MD=メガドライブ
※他のゲーム機に移植されたものについては、最初に登場した機体を記載しています。

私自身当時から大好きで聴き込んでいた懐かしい曲が勢ぞろいです……と言いたいところですが、実際は全然知らないものばかりでした(笑
聴いたらぴんとくるものもあるかと思ったのですが、それすらもなし。ファミコンやPCエンジンなど結構やってきたつもりなんですけどね。

このコンピレーションを聴くと、ひと口にゲームミュージックといってもさまざまな曲調のものがあり、音楽性に富んでいることに気づかされます。
中にはほとんど現代音楽といっても過言ではないものもあります。

日本のメジャーな音楽シーンとは異なるところで生まれ育ったゲームミュージックが、海を越えさまざまなアーティストに影響を与えていたという事実は驚きであり、また感慨深さも感じます。

ちなみにこのコラムのタイトルの「懐かしくない」ゲームミュージック、というのは、セレクトがマニアックで懐かしさをあまり感じないというのと、今聴き直すことで新たな発見があるという2つの意味がかかっています。

子どものころ当たり前のように耳にしていたゲームミュージック。大人になった今改めて聴くことで、また別のインスピレーションを得ることができると思います。

2017.12.17