【2025年版】オーディオインターフェイスの選び方|初心者にオススメ5選【DTM】

オーディオインターフェイスの選び方
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オーディオインターフェイスは、パソコンで作った音を外部に出力したり、外部音源で作った音をパソコンに入力したりするための橋渡し的な役割をする機器です……と、なんだかややこしい書き方をしてしまいましたが、要はパソコンの音をスピーカーから出したり、マイクを使ってパソコンにボーカルや楽器演奏を録音したりする時に必要になるものです。

パソコンには、元々ヘッドホン出力端子やマイク入力端子が付いているものが多いですが、オーディオインターフェイスを使うことで、音楽制作における3つの大きなメリットを得ることができます。

1. 高音質・低ノイズ

音楽制作用に設計されているため、パソコン内蔵の端子とは比べものにならないほどクリアで解像度の高いサウンドを実現します。ノイズも圧倒的に少ないです。パソコンで音楽を聴きたい場合にも役立ちます(パソコン→オーディオインターフェイス→外部スピーカー)。

2. 多様な接続端子

マイク、エレキギター、ベース、シンセサイザーといったさまざまな楽器を接続するための、専門的な端子を備えています。外部の機材を使いたい場合は必須です。

3. 音の遅れ(レイテンシー)の軽減

「ASIO」(Windows)や「Core Audio」(Mac)といった専用のドライバーを介して、DAWソフトと連携します。これにより、MIDIキーボードでソフトシンセを弾いた時などに発生する音の遅れを、違和感のないレベルまで小さくすることができます。

オーディオインターフェイスの選び方

オーディオインターフェイスを選ぶ際は、以下の6つのポイントをチェックしましょう。

1. 入出力の数と種類

オーディオインターフェイスのスペックを見ると「2in/2out(2イン/2アウト)」「4in/4out(4イン/4アウト)」といった表記があります。

「2in/2out」を例にとると、これは2つの音を同時にパソコンに入力でき、2つの音をパソコンからスピーカーのL/Rなどに出力できる、ということを意味します。
ここでの数字はモノラルが基準になっています。つまり「2in/2out」なら、入出力にモノラル×2があるということです。
「out」のほうは基本的にスピーカーにL/Rのステレオで出すので、「2out」といっても2つの機材に出力できるというわけではないです。

初心者が最初に選ぶなら、「2in/2out」でまず困ることはないかなと。入力はマイクか楽器(ギター、ベース)に使い、出力はアンプを内蔵したパワードスピーカーか、オーディオ機器のAUXにつなぎます。

入出力端子の種類をチェック

XLR端子(左上)、標準フォーン端子(下半分)、RCA端子(右上)

  • マイク入力(XLR端子): コンデンサーマイクを使う場合は、ファンタム電源(+48V)に対応しているか必ずチェック。
  • 楽器入力(Hi-Z、INST端子): エレキギターやベースを直接繋ぐための端子。標準フォーンプラグ(TS)。
  • ライン入力: シンセサイザーや外部音源などを接続するための端子。標準フォーンプラグ(TRS)。XLR端子とセットになったコンボジャックを採用しているオーディオインターフェイスもあります。
  • ライン出力: スピーカーなどの出力装置に接続するための端子。赤白のRCAピンプラグのものもありますが、最近のオーディオインターフェイスでは、標準フォーンプラグ(TRS)を使っているものがほとんど。
  • ヘッドホン出力: ヘッドホン接続用の端子。ほとんどのオーディオインターフェイスでは、標準フォーンプラグ(TRS・ステレオ)が採用されているので、3.5mmステレオミニプラグのヘッドホンを使う場合は、変換プラグが必要。ちなみに「2in/2out」と言った時に、ヘッドホン出力は出力数として含まれません。
Check!

最近のMIDI機器(MIDIキーボードなど)は、USBでMIDIデータの送受信や電源供給を行うものが多いですが、USBが付いていない外部音源や昔のMIDIキーボードとパソコンを接続するには、MIDIインターフェイスが必要になります。オーディオインターフェイスによっては、MIDIインターフェイスを備えているものもあるので、USBが使えないMIDI機器を使うならそちらを選びましょう。
また、パソコンのUSBポートの数が少ない場合は、MIDI端子を使うことで、一つ分節約できるというメリットもあります。

2. ビット深度とサンプリングレート

オーディオインターフェイスの商品説明には「32bit/192kHz対応」など、最大録音/再生品質のスペックが書かれています。
現在販売されている多くの製品は「24bit/96kHz」以上の音質に対応しており、これはCD音質(16bit/44.1kHz)を上回る十分なクオリティーです。趣味の音楽制作から配信・ナレーション録音まで、まったく問題なく使えます。

3. 録音をする際に便利な機能

  • ダイレクトモニタリング: 録音する自分の声や楽器の音が、遅れずに聴こえる機能。今だと、ほぼすべての機種に搭載されています。
  • DSPエフェクト: オーディオインターフェイス本体に内蔵されているエフェクト。パソコンに負荷をかけずに、リバーブなど、エフェクトのかかった音でモニタリングできます。

4. 配信にも役立つ「ループバック機能」

パソコンで再生している音と、マイクの音をミックスしてパソコンに送り返せる機能です。ゲーム実況やライブ配信を考えているなら、この機能は必須です。
当たり前のように思える機能なのですが、ループバック機能が付いていないオーディオインターフェイスでは、パソコンで再生している音をDAWなどで収録することはできません(ループバックを可能にするソフトを使えば可能になりますが、少し手間がかかります)。

5. 付属ソフト

多くの製品に、DAW(音楽制作ソフト)の機能限定版(Cubase AIやABLETON Live Liteなど)や、プラグイン(ソフトウェア音源・エフェクト)が付属しています。機能限定版とはいえ、これだけでも十分に曲作りが可能です。

6. 予算

初心者向けの価格帯は、1万円〜3万円程度が目安になります。
パソコンとの接続方法

オーディオインターフェイスにはいくつかの接続方法がありますが、一番多く、また手に入れやすい価格帯で出ているのはUSBです。最近のモデルでは、接続端子に裏表のないUSB-Cを採用するものが増えています。
ちなみに、高価なモデルでは、より高速なThunderboltという規格を採用しているものもありますが、オーディオのデータ転送量はそれほど大きくないため、通信速度はUSB 2.0でもまったく問題ありません。

ご購入の際は、OSのバージョンやお使いのパソコンで使用可能か、メーカーのサイトに一度目を通すことをオススメします。

初心者向けオーディオインターフェイスの選び方のまとめ

 

・予算は1万円〜3万円。

・入出力は2in/2outあればOK。2in→マイク or ギターなどの楽器。2out→外部スピーカーのLR。

・録音/再生品質は24bit/96kHzあれば、現在の標準的なフォーマットを満たすのでOK。

・生配信を考えている場合はループバック機能付きを選ぶ。

 

初心者にオススメのオーディオインターフェイス

STEINBERG UR22C

CubaseでおなじみのSteinberg(スタインバーグ)のオーディオインターフェイス。32bit/192kHz対応という高音質設計で、高品位なリバーブやEQが使えるDSPエフェクト、そしてループバック機能を搭載。入出力もMIDI端子まで完備しており、まさに「全部入り」。迷ったらこれを選べば間違いない、というほどの鉄板モデルです。

入出力 2in/2out
対応フォーマット 32bit/192kHz
ファンタム電源 あり
MIDI端子 あり(in/out)
ダイレクトモニター あり
DSPエフェクト あり(リバーブ、コンプ&EQ、ギターアンプ)
ループバック あり
接続方法 USB Type-C(USB3.0、2.0)、USBバスパワー駆動 or 電源アダプター(別売り)
対応OS MacOS High Sierra 10.13〜、Windows 10、11(64-bit)、iOS 10〜
付属DAW・プラグイン Cubase AI、Cubasis LE (iOS)、Steinberg Plus(SteinbergのVSTセット)
製品情報 UR22C製品情報(メーカーサイト)

FOCUSRITE Scarlett 2i2 4th Gen

赤いボディが象徴的な、オーディオインターフェイスのベストセラー。マイク入力(XLR端子)を背面にしたことで、前面がすっきりとして見えます。
クリアでパワフルなマイクプリアンプに定評があり、ボタン一つで高音域を煌びやかにする「Airモード」が特徴。オートゲインとクリップセーフ機能があるので、レベル調整で失敗することはありません。

入出力 2in/2out
対応フォーマット 24bit/192kHz
ファンタム電源 あり
MIDI端子 なし
ダイレクトモニター あり
DSPエフェクト なし
ループバック あり
接続方法 USB Type-C(USB2.0)、USBバスパワー駆動 or 電源アダプター(別売り)
対応OS MacOS Catalina 10.15〜、Windows 10、11(64-bit)、iOS 12〜
付属DAW・プラグイン Ableton Live Lite、Pro Tools Intro+、FL Studio Producer Edition(6カ月分)、1,000ドル相当のHitmaker Expansion(プラグイン)
製品情報 Scarlett 2i2製品情報(メーカーサイト)

MOTU M2

通常は高級機に採用されるESS Sabre32 Ultra DACを搭載し、この価格帯では頭一つ抜けたクリアな出音を実現。最大の特徴は、入出力レベルを正確に表示するフルカラーのLCDディスプレイ。視認性の高さで、適切な録音レベルを簡単に設定できます。

入出力 2in/4out(RCA出力は、メイン出力と同じ音が再生されるので実質2out)
対応フォーマット 24bit/192kHz
ファンタム電源 あり
MIDI端子 あり(in/out)
ダイレクトモニター あり
DSPエフェクト なし
ループバック あり
接続方法 USB Type-C(USB2.0)、USBバスパワー駆動
対応OS MacOS El Capitan 10.11〜、Windows 10、11(64-bit)、iOS 9〜
付属DAW・プラグイン Performer Lite、Ableton Live Lite、100種類以上のプラグイン、6GBのループとサンプルパック
製品情報 M2製品情報(正規代理店サイト)

STEINBERG IXO12

URシリーズの弟分にあたる、よりコンパクトで手頃なモデル。低価格ながら24bit/192kHz対応、高品質なマイクプリアンプ、ループバック機能、iPad/iPhone対応と、必要な機能をしっかり押さえています。ループバック機能は物理スイッチで設定できるので、ソフト上でループバックを設定する必要があるUR22Cよりもシンプルです。

ちなみに、入力は2inですが、マイク・ライン入力のコンボジャックが一つと、ギターなどの入力に使うHi-Z端子が一つとなっています。ハードシンセなどの外部音源をステレオ入力することはできないので、そういった用途に使いたい時は、IXO22のほうを選びましょう。

入出力 2in/2out
対応フォーマット 24bit/192kHz
ファンタム電源 あり
MIDI端子 なし
ダイレクトモニター あり
DSPエフェクト なし
ループバック あり
接続方法 USB Type-C(USB3.0、2.0)、USBバスパワー駆動 or 電源アダプター(別売り)
対応OS MacOS Big Sur 11〜、Windows 10、11(Ver. 22H2以降)、iOS 14〜、iPad OS 13〜
付属DAW・プラグイン Cubase AI、Cubasis LE (iOS)、Steinberg Plus(SteinbergのVSTセット)
製品情報 IXO12製品情報(メーカーサイト)

M-AUDIO M-Track Solo

5千円前後という圧倒的なコストパフォーマンスを誇るモデル。「とりあえずPCにマイクとスピーカーをつなぎたい」という最初のステップを、必要十分な機能で叶えてくれます。16bit/48kHz対応。
とにかく安くパソコンとスピーカーをつないで音を出したい、という人向けです。

入出力 2in/2out
対応フォーマット 16bit/48kHz
ファンタム電源 あり
MIDI端子 なし
ダイレクトモニター あり
DSPエフェクト なし
ループバック なし
接続方法 USB Type-B(USB2.0)、USBバスパワー駆動
付属DAW・プラグイン MPC Beats、AIR社製のエフェクトとソフトウェア音源
製品情報 M-Track Solo製品情報(メーカーサイト)

※M-AUDIOのサイトはhttpsではなくhttpなので、環境によってはつながりにくいかもしれません。